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ギターとベースとVOCALOIDのつれづれづれづれ
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 2月中旬。思いがけず休みが繋がり、「もったいないからどこかへ行こう」と思ったのが事の始まり。
 私も1センチの雪で騒ぐ関東人、どうせなら雪の残る東北へ行きたい。というわけで、行き先は東北へ。おこづかいピンチにつき、移動は普通列車が中心となりました。
 普通列車といえど、朝早く東京を出れば夜の9時には青森県まで行けます。しかしひたすら乗るだけの旅は学生時代にやりましたし、今回は少し土地を感じたいので、若干余裕を持った計画を立てました。
 まずその日のうちに列車で到達できそうなエリアを絞り込み、その周辺で適当な宿を探します。宿が見つかったら、その最寄り駅が目的地。そこまでの道のりで、食事が出来そうな場所も探しておきます。駅弁は割高に感じることもありますが、独特の風情があるので使うことにします。
 それから、私の好きな楽器メーカーである『フジゲン』の工場見学をどこかに入れたいと考えていました。工場は信濃大町の近くですので、必ず信濃大町を通る行程にしました。

 前にも書きましたが、旅の方針は次の通りです。
・移動にはなるべく鉄道や軌道を使う。
・基本的に普通列車で移動する。新幹線は使わない。
・低予算で土地を味わう。
・出会いを大切に。礼儀と感謝を忘れずに。

 そんなわけで、あんまりあてのない旅に出たのです。



 突然ですが、ここでWEB拍手のお返し。

●総監督様
『是非「そして、お土産も忘れずに。」の一文を! 旅先での美味しい地酒には気をつけてくださいね。土産話(ハプニング)を楽しみにしています。』

 というわけでこのブログにて土産話に換えさせていただきますので、ご勘弁下さいまし。ハプニングだなんて…そんな、あなたが期待するような、セクシーなハプニングなんて起こるわけないじゃないですかっ…!////

●ニラPのブログから様
『楽器が好きなのですね。』

 工場見学のことですね。はい、楽器が好きです。この辺りは最終日の出来事にまとめようと思います。

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 2月22日、8時ちょうど。常磐線の特急、スーパーひたち7号で上野を出ました。
 あなたの知らない人と二人で、春まだ浅い常磐路へ。残念ながら隣の席に座るのはサラリーマン風のおじさまです。
 豆知識。2011年2月現在、新宿発8時ちょうどの特急は、スーパーあずさ5号。

 お~やお~やぁ、普通列車の旅と言いながら、のっけからいきなり特急に乗っている人がいますよぉ?(声:滝口順平さん)

 そうなんです。新幹線を使わずに時間を稼ごうとすると、常磐線の特急が便利なのです。そうまでして向かう一日目の目的地とは…

 岩手県はリアス式海岸の北部の町、久慈。

 何故久慈なのかって? そりゃあアナタ、ありすに会いに行くために決まってるじゃありませんか!

 はい、オタクの悲しい性ですね。ありすとはトミーテックが展開している『鉄道むすめ』のキャラクターで、正式名称は『久慈ありす』。三陸鉄道の運転士という設定です。「こんな金髪ロングの運転士がいるわけないじゃん! まったくこれだからオタクどもは!」と思う方も多いかも知れませんが、しかしこれがバカにできない存在なのです。キャラクターのウケが良ければ、グッズの売り上げは伸びます。赤字の第三セクター鉄道である三陸鉄道にとっては、まさに救世主!?
 とはいえ、変に意識した萌えグッズが無いところに、私は好感を持っています。入り口はありす目当てでも、入ってしまえば三陸の魅力に気付くかも…?
 余談。三陸鉄道の鉄道むすめには『釜石まな』という駅員さんもいます。ゲームをやった人はおなじみですね。

 話がたいぶ逸れて南へ向かいそうになりましたが、私は元気です。
 スーパーひたちから乗り継いでいけば、昼食は仙台で、夕食は宮古で調達できます。宮古はもう三陸海岸の町ですから、美味しい物を食べに行きたい。というわけで、宮古での滞在時間を稼ぐために特急を利用しました。
 遠足前の子供のように前日は眠れず、車内でウトウト。残念ながらスーパーひたちの椅子は私の体に合いませんでしたが、この列車も数年後には新しい車両に置き換わるようですし、良い記念になりました。


 12時32分。仙台に到着しました。乗り換えには余裕があるが、外食するほどの時間はない。というわけで駅弁を買いに行きます。選んだのは、『網焼き牛たん弁当』。「うしたん」っていうキャラじゃないよ(黙れ



 12時45分。ここからは東北本線の普通列車を乗り継ぎます。まずは小牛田(こごた)行きに乗車。こっちの列車のドアは押しボタン式なので、違う土地に来ているんだなぁという感じがします。
 ちょうどお昼の時間ですし、車内で駅弁を食べようと思ったら…
 びっくりしました。人が多いのです。4両編成とはいえ、東京の昼間の通勤電車とそう変わらないくらいの混み具合です。座席もボックスではなく長椅子。これでは駅弁を食べることはできません。

 ほぼ通勤電車。

 13時30分、結局何も食べられないまま小牛田に到着。小牛田駅の脇の線路には、引退したリゾート列車『こがね』と、後継の『みのり』が止まっていました。

 左の金色が『こがね』、右の茶色いのが『みのり』。間の緑色のは普通列車です。荒っぽい撮り方でごめんなさいね。
 『こがね』は色こそきれいですが、さすがにベコベコでした。



 13時46分、小牛田を出発。ここでもそれなりの混み具合で、またも長椅子。そろそろお腹の音が外に聞こえているんじゃないかと不安になるレベルです。
 が、新田(にった)駅を過ぎると、ほとんど人がいなくなりました。ここぞとばかりに弁当を温めます。そう、このお弁当はアツアツの状態で食べられるように、紐を引くと熱くなる仕掛けだったのです。それは嬉しいのだけど、ここで5分のタイムロス。人が乗ってきやしないかとヒヤヒヤしながら待ちます。5分が過ぎる頃には、既に牛タンのイイ匂いが放たれています。周りの目を気にしながら開封。

 いただきます! うまい! 待った甲斐があったよおぉぅ!
 しかし3口ほど食べたところで、無情にも新たな乗客が。小心者の私は弁当に蓋をし、再び車内が空くのを待っていましたが。

 14時32分。一ノ関に着いてしまいました。そろそろお昼っていう時間じゃなくなってきましたよ。



 14時37分。一ノ関から盛岡行きに乗りました。荷物を持って隣のホームへ乗り換えるのに5分というのは、ちょっと焦りますね。

 一ノ関からは列車が短くなり、2両編成のワンマン運転でした。短くなったということはそれだけ乗客の密度が高くなっているわけでして、弁当を開けるどころか座ることすらできませんでした。ちょっと食べてしまったせいで、余計に腹が減ったような気がします。ああ、牛たん弁当…。
 車窓を見ていると、次の山ノ目駅をジャージ姿の中学生達が掃除しているのが目に入りました。男女合わせて10人くらいの生徒と、先生が1人。どういった集まりなのか定かではありませんが、部活の奉仕活動か、はたまたあれで1クラスなのか…? 列車から降りた人に「こんにちはー」と挨拶をしていたり、何だか和む一場面でした。
 その次の平泉は、子供の頃に降りたことがあります。時代劇で奥州藤原家の物語をやっていたため、中尊寺を見に行ったのです。中尊寺もきれいでしたが、普通列車の客車に乗ったのは、後にも先にもあの時だけだったと思います。ええ、東北新幹線で一ノ関へ行き、そこから普通列車に乗ったのです。寒風吹きすさぶ一ノ関駅で凍えながら食べた、駅弁のカニちらしが懐かしい。今は温かいお茶といえば缶もペットボトルもありますが、当時駅弁と一緒に売られていたお茶はティーバッグが入っていました。おっと、昔話は歳がばれますね。
 なんでこんな昔のことを書いているのかというとですね。駅弁が食べられないからなんですよ。もうね、アホかと。バカかと。

 16時14分。結局ほとんど食べられないまま盛岡に到着。とにかく片付けなくてはならないのでホームのベンチで掻き込みます。せっかく温めた弁当がすっかり冷めてしまって…orz でも、美味しかった。



 16時30分。ここから山田線に乗り、宮古まで乗り通します。
 どうでもいいですが、ボックス席を一人で占領する人間はどこにでもいるんですね。立っている人がいても老若男女問わず見ないふり。むしろ都心みたいに「激混みで譲らざるを得ない状況」にならない分、タチが悪いと思います。
 列車は1両のディーゼルカー。当然ワンマンだろうと思ったら、女性の車掌さんが乗っているではありませんか。見たところ山田線の車両にはワンマン用の設備が付いておらず、無人駅にも改札と呼べる設備がありません。このため車掌がホームに降りて、乗客から切符を回収するというやり方のようです。山深く雪の残るホームで、滑らないように気を付けながら素早く動く姿が印象的でした。

 そう、雪がかなり残っています。盛岡を出てしばらくは市街地の中を通っていきますが、一駅、また一駅と過ぎるたびに坂を上っていき、いつの間にか山の中を走っています。雪が落ちてきたのか木の枝にぶつかったのか、時々屋根からすごい音が聞こえます。が、運転士さんも車掌さんも動じません。さすがです。東京人だったらきっと何にぶつかったのかと大騒ぎです。

 区界(くざかい)で行き違い。手前が私の乗る列車。

 見送り。

 18時53分。2時間23分かけて、ようやく宮古(みやこ)に着きました。三陸鉄道の窓口を覗いてみましたが、残念ながら売店は閉まっていました。

 宮古の駅前には寿司屋などがありますが、三陸鉄道のWEBサイトで駅員オススメのお店というのを見ていたので、ちょっと歩いてそこへ行くことにします。今回は『丼のおいかわ』さんへ。
 海鮮丼を夢見ていたのですが、なんとこの日はやっていないとのお返事…orz あたいは何のためにここまで来たんだい、と思いつつも、外はものすごく寒くて、正直温かい物が恋しい。で、温かくて海の幸も入っている物を探すと、『えびいか天丼』なんてものがあるじゃないですか。入口に置いてある札を席に持っていって注文します。このシステムが私を惑わせることに。
 しばらくすると、その名の通り海老とイカ、それから数種類の野菜天も載った『えびいか天丼』が出てきました。シジミの赤だしと、いぶりがっこも付いてきます。
 入った時は私一人だけだったのですが、その後に一組カップルが入ってきて、ちょっと写真は撮れない雰囲気だったので、文字だけで。海老もイカも丼からはみ出すくらい大きかったです。海老はプリッとしていて、イカはスッと切れるくらいやわらかくてちょっと驚きました。野菜の天ぷらもサクサクで美味しいしバランス良く頂けます。何よりあつあつのごはんと赤だしで体も温まり、油っこさもなく、大満足。
 ごちそうさまでした、と席を立ち、店を出ようとしたところでお兄さんに呼び止められました。何かしたっけ、と思って振り返り…お代を払っていないことにようやく気付きました。入口の札を持っていった時、食券を買って払ったつもりになっていたのです。真っ青になってお代を払い、逃げるように店を出て…カップルの視線が痛かった…。お店のお兄さん、ごめんなさい。

 いや、でも、ほら、あれですよ! 旅の恥は掻き捨てってことで!(殴



 20時15分。三陸鉄道北リアス線で久慈へ向かいます。
 宮古駅の券売機前にはこんな物が。

 岩手県知事が『久慈ありすは俺の嫁』と言ったことはこの界隈では有名ですが、さすが、進んでるぜ…。

 車内には部活帰りの高校生も数人いて、甘酸っぱい青春の会話が聞こえてきます。若いっていいですよね(しみじみ)。

 学生たちは数駅で降りてゆき、車内はいつのまにか私一人になっていました。誰もいないのをいいことに、車内の様子を一枚、また一枚と撮影。さらに鉄道むすめのコミックを読んだりと、やりたい放題の駄目な大人です。

 まったくもって。
 以前三陸に来た時は天候が悪く、窓の外は真っ白。今回は夜の訪問で、窓の外は真っ黒。なんにも見えやしねぇ。元々トンネルばかりの路線ですが、トンネルが途切れた時の景色は素晴らしいものがある…はず。この時点ではまだ味わえていませんので。
 ワンマン列車で運転士さんが運賃を受け取る方式のため、駅に着くたびに立ち上がってこちらを確認するのが何だか申し訳ない。すいません終点まで行きます。

 21時47分。終点の久慈に着きました。近くを国道が通っており、商店と住宅が並ぶ町です。
 冷たい風が吹いていましたが、潮の匂いは感じませんでした。陸からの風だったのでしょう。それよりも、冬タイヤの埃っぽさと石油ストーブ(あるいは線路の凍結防止のカンテラ?)の匂いがたちこめて、外を歩く人はいないものの、人間がいることを感じさせる所でした。
 宿に着き、翌朝の出発時刻を告げると驚かれてしまいました。いや、勝手に出ていくから寝ててください、と言いそうになる。
 バス・トイレ別の安い部屋を予約しましたが、バス・トイレ付きが空いているので使ってくれというではありませんか。さっきの取り消し。何だか逆に申し訳ない気持ちになりつつ、ありがたく使わせてもらいました。宮古で調達した梅酒とおつまみで軽く一杯やりながら、時刻表と睨めっこ。

 一日目はここまで。翌日は、K-x(デジカメ)に働いてもらうことになります。



●一日目の行程:自宅 ~(私鉄)~ 目黒 ~(山手線)~ 上野 ~(常磐線)~ 仙台 ~(東北本線)~ 盛岡 ~(山田線)~ 宮古 ~(三陸鉄道北リアス線)~ 久慈
●一日目の移動距離:749.8km

 ここまでお読み頂きありがとうございました。
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